レプリカブームが下降線を描き出した頃に現れ始めたネイキッドマシンの中で一瞬ながら鮮烈な輝きをもって咲いた2サイクルマシンの徒花といっても過言ではないヤマハのSDR、とはいえその内容は、TZR125のそれをベースにスケールアップしたクランクケースリードバルブの水冷200(正確には195)㏄エンジンにYPVSを備え、125㏄クラスの車体で乾燥重量105㎏の軽さもあって発進にもトルク不足を感じず、それでいてマスバランスがよくとれたディメンジョンからくる軽量マシンとは思えぬ粘っこい安定感を醸すハンドリングで、果たして骨頂は高回転域に入ってから(タコメーターがなく確認できず)のTZもかくやと思わせる甲高くレーシーな排気音と共に現れる更なる加速感…
1987年から売り出されたSDRを未だ愛機として大事にされている方にお勧めしたいこの品は、元ヤマハワークスライダーであったオーナーのもと、久しくヤマハ車で国内レースをワークスと肩を並べて渡り合い、何人ものGPライダーを輩出しているSP忠男の十八番とも言えるチューニングの妙が効いているチャンバーエクゾーストシステムです。